The New England Journal of Medicine (NEJM)に、エボラウイルス病(エボラ出血熱)治療薬候補として、西アフリカで無作為化された臨床試験を行った抗体医薬「ZMapp」の臨床試験についての報告が出ています。

 
タイピングできる状態には程遠いので、論文情報などを出しておきます。(後で更新されます)

ZMappについて

「ZMapp」は、タバコの葉で作成される3種類のモノクローナル抗体の混合液です。

この薬はエボラウイルス病が西アフリカで感染を広げつつあった初期段階では、まだ動物実験に進もうとしている状態だったのですが、非常に致死性が高い疾患での人道的な配慮という事で特例的に人間に対して投与されました。

その投与の結果として、米国人の伝道団体の医師達の命が救われたのではないか、とみられたために非常に注目されましたが、少量しか存在していなかった在庫が払底し、その後の長期間に渡って利用できる薬剤が無い、という状態が続く事になりました。


既にZMappでは「ヒト以外の霊長類」を対象とした研究データによって、投与の有効性が示唆されていたのですが、人間に有効性を発揮する事の確認はもちろん必須です。薬剤はすぐに増産を開始したのですが ・・・ タバコが成長して薬剤が生産できるようになるまでには数か月という時間が必要となりました。

そして後にZMappの再生産が行われて臨床試験が実施可能になった時点では、世界中の支援によって西アフリカのエボラウイルス病の流行が劇的に鎮静化していたため、無作為化された臨床試験の成立に必要とされる最低人数とされた100人の被験者が確保できず、臨床試験は成立しませんでした。

この論文は、その臨床試験で得られた結果について公開し、その数値についての考察を行っています。



論文情報
A Randomized, Controlled Trial of ZMapp for Ebola Virus Infection
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1604330
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The PREVAIL II Writing Group, for the Multi-National PREVAIL II Study Team*
N Engl J Med 2016; 375:1448-1456
October 13, 2016
DOI: 10.1056/NEJMoa1604330
 

NEJM 日本語の概略版
エボラウイルス感染に対する ZMapp の無作為化比較試験
http://www.nejm.jp/abstract/vol375.p1448


参考記事:ZMappが有効だった理由が解明された

参考記事:エボラウイルス病の予防薬候補について



両手が使えるようになったら、更新します。ごめんなさい。更新表示を見ていてください。