エボラ出血熱流行国からの入国者での3例目の疑い事例です。一応情報が出ていたので、メモ書きしておきます。
11/08:国立感染症研究所で行われていた確定診断で、エボラウイルス「陰性」が確定しています。
2014年11月7日。午後11時半頃。
西アフリカのギニア国籍の20代女性
関西空港への到着時に発熱を確認した
簡易検査ではマラリアだと診断されている
特定感染症指定医療機関の「りんくう総合医療センター」に搬送
おさらいします。
特定感染症指定医療機関 : 3医療機関(8床)
海外からの入国者の新興感染症にも対応し高度な治療を行う
「国際空港の近くに位置している」
病院名 | 病床数 | 所在地 |
成田赤十字病院 | 2床 | 千葉県 |
独立行政法人国立国際医療研究センター病院 | 4床 | 東京都 |
りんくう総合医療センター | 2床 | 大阪府 |
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西アフリカのギニア国籍の20代女性
- 6日にギニアを出国した
- ドバイ経由で、7日の午後5時ごろに関西国際空港に到着
- 検疫所でエボラ出血熱流行国からの入国である事を確認
- 発熱(37度~38度)を確認
- 簡易検査の結果は「マラリア」
航空機関連の対応
- 同じ便に乗り合わせていたのは「乗員と乗客、238人」
- 厚労省が、航空会社から搭乗者名簿の提出を受け、連絡準備を進めている段階。
- 乗客からの問い合わせ専用電話有り(03・3595・2191)。
簡易診断がマラリアなので心配は少ないですが、万が一にあらかじめ備えるというのは大切です。
- ギニアはエボラ出血熱の流行国です。
- 今回の西アフリカのエボラ出血熱流行の震源地でもあります。
- WHOの報告によると、11月2日現在での累計感染者は1731人で死者が1041人です。
- ギニアの人口は1175万人です。
- つまり6780人に一人がエボラ出血熱患者という事になります。
- この女性がエボラ出血熱の患者である確率は「1/6780」よりも有意に低いでしょう。日本という遥か極東の国に来る人は限られますので。
- ギニアは、マラリアの流行国です。そして現在はマラリアの流行シーズンに入っています。
ちょうど先ほど、シエラレオネのエボラ出血熱感染者についての論文を記事にした所ですから、比べながら眺めてみましょう。
参考記事:若い人達のほうがエボラ生存率が高い
ここから先は、「エボラ出血熱疑い」2例目と同様の考察になります。項目だけ再掲します、
- まず、「エボラ出血熱の流行国からの帰国者が、全てエボラ出血熱の感染者ではない」
- エボラ出血熱の患者の平均的な発症までの潜伏期間は「6日~12日」と推定される
- 国立感染症研究所で検体を調べています。
- 関西空港到着時に発熱が確認され、特定感染症指定医療機関の「りんくう総合医療センター」に搬送された
- この部分だけは、
- 以前の話で専門家だと思「エボラ出血熱疑い」1例目と同様です。
- 現在の症状は「発熱」が伝えられていて、その他は不明です。
- この季節の「発熱」だと、インフルエンザでおかしくありません。
- 簡易診断での結果は「マラリア」だそうです。
- 「インフルエンザ」、「マラリア」「ラッサ熱」などで、初期段階の症状は同じです。その他にも高い熱が出る疾患は多数あります。
万が一、エボラ出血熱だったとしても、非常に早期である事は間違いありません。また、空港からの直接搬送なので、万が一エボラ出血熱の発症であったとしても、念の為というレベルの健康監視は、同じ航空機に乗り合わせた人達のみです ・・・ 実際には発症初期で体液との直接接触が無い状態での感染は有りえませんが。
確定診断が出るのは明朝以降になるそうですが、長時間かかるというのは、やはりうまくないですよね ・・・ これからは、冬のインフルエンザシーズンに入りますので、インフルエンザでの発熱も増えるでしょうから。
日本の場合には、万が一のエボラ出血患者の発生では、早期に「ファビピラビル(favipiravir)・アビガン」を使用する事になります。ともかく「陰性・エボラ出血熱ではありませんでした」を期待しましょう。
11/08:国立感染症研究所で行われていた確定診断で、エボラウイルス「陰性」が確定しています。